WEBマーケティングの基本 〜「とりあえずホームページ」から卒業するために〜

「うちもそろそろWEBマーケティングをやらないとなあ」

そう感じている経営者の方は、年々増えています。実際、商工会議所のセミナーでも「WEB集客」と名のつくものは、たいてい満席です。一方で、こんな声もよく耳にします。

「ホームページは10年前に作ったきり」 「facebookアカウントは作ったが、最後の投稿が2年前」 「SEOとかMEOとか、横文字が多くてもう無理」

ご安心ください。WEBマーケティングは、基本さえ押さえれば、決して魔法でも特殊技能でもありません。本記事では、WEBマーケティングに本腰を入れたい経営者の方に向けて、その全体像と「明日から動ける一歩」をお伝えします。

1. WEBマーケティングとは何か

WEBマーケティングとは、ひとことで言えば「インターネット上で、見込み客に見つけてもらい、ファンになってもらい、最終的にお客様になってもらうための一連の活動」のことです。

昔ながらの商売に置き換えると、こうなります。

  • 商店街に店を構える → ホームページを作る
  • のぼりや看板を出す → 検索結果やSNSで目立たせる
  • 試食コーナーを設ける → 無料の資料やお試しを提供する
  • なじみの常連さんを大切にする → メルマガやLINEで関係を続ける

つまり、やっていることの本質は、昔の商店街となんら変わりません。場所がインターネットに変わっただけです。「自分はアナログ人間だから」と尻込みする必要はないのです。

2. WEBマーケティングの4つの基本ステップ

WEBマーケティングは、大きく次の4つのステップで考えると整理しやすくなります。

ステップ1:知ってもらう(集客)

そもそも、お客様にあなたの会社の存在を知ってもらわなければ、何も始まりません。具体的な手段としては、検索エンジン対策(SEO)、Google広告などの広告出稿、SNSでの発信、Googleビジネスプロフィール(地図に出てくるアレです)などがあります。

ステップ2:興味を持ってもらう(サイト訪問)

知ってもらった次は、ホームページや店舗のSNSに足を運んでもらう段階です。検索結果に表示されても、クリックされなければ意味がありません。タイトルや説明文、サムネイル画像が大事になります。

ステップ3:信頼してもらう(コンテンツ・実績)

訪問してくれた人に、「ここなら任せられそうだ」と感じてもらう段階です。お客様の声、施工事例、スタッフ紹介、よくある質問など、人柄や実力が伝わる情報を充実させます。

ステップ4:お客様になってもらう(問い合わせ・購入)

最後の一押しです。問い合わせフォームがわかりにくい、電話番号が小さい、ボタンが見つからない、といった理由で、せっかくの見込み客を逃しているケースは驚くほど多いものです。

この4ステップを、漏斗(じょうご)のような形でイメージすると、入り口は広く、出口に向かうほど人数が絞られていきます。これを業界では「マーケティングファネル」と呼びます。なんだか急にカッコいい名前が出てきましたが、要は「集客から成約までの流れ」のことですので、構えなくて大丈夫です。

3. ありがちな失敗例

ここで、ありがちな失敗をひとつご紹介します。

ある地方の工務店が、「これからはWEBの時代だ」と一念発起し、立派なホームページを制作会社に依頼しました。費用は約100万円。完成したサイトは確かに美しく、社長も大満足です。

ところが半年経っても、問い合わせはゼロ。社長は首をかしげました。「こんなに立派なサイトなのに、なぜだ」と。

理由はシンプルです。誰もそのサイトの存在を知らなかったのです。看板を立てたつもりでも、立てた場所が誰も通らない山奥だった、というわけです。

ホームページは「作って終わり」ではなく、「作ってからが始まり」です。検索で見つけてもらう工夫や、SNSやチラシで存在を知らせる工夫がなければ、立派なサイトも、深夜のラジオで流れるCMくらい、誰にも届きません。

4. コンサルがあまり言わない、いちばん大事なこと

ここで、ぜひお伝えしたいことがあります。

WEB集客がうまくいかないとき、多くの経営者がまず考えるのは「専門家に相談しよう」ということです。気持ちはよくわかります。そして実際、コンサルタントに相談すると、たくさんの助言をもらえます。

「トップページのデザインが古いので一新しましょう」 「レイアウトがごちゃごちゃしているので整理しましょう」 「キャッチコピーをもっと響くものに変えましょう」 「フォントが読みにくいので変更しましょう」 「お客様の声をしっかり掲載しましょう」 「よくある質問のページを充実させましょう」

どれもごもっともで、間違ったことは言っていません。中身を整えるという意味では、いずれも有効な助言です。

ところが、不思議なことに、ほとんどのコンサルタントは「とにかく更新頻度を上げてください」とはあまり言いません。これは私が以前から不思議に思っていることのひとつです。デザインやレイアウト、フォントや文言の助言は山ほどあるのに、「明日から週2回、何でもいいから投稿してください」というシンプルな助言は、なぜかあまり聞きません。

しかし、現実のWEB集客で効いてくるのは、しばしばこちらのほうです。

考えてみてください。デザインを一新したサイトでも、更新が3か月止まれば、お客様は「この会社、生きているのかな」と感じます。逆に、デザインがやや古くても、毎週何かしらの新しい情報が載っているサイトには、不思議と「活気」が漂います。お客様が直感で感じ取るのは、洗練さよりも、生きているかどうか、なのです。

更新ネタは、立派でなくていい

「でも、毎週書くようなネタなんてない」とおっしゃる方がほとんどです。これも、よくわかります。

ですが、更新するネタは、決して立派な記事である必要はありません。たとえば、こんなことで十分です。

  • 事務所の前の桜が咲きました、という季節の話題
  • 新しく入ったスタッフの紹介
  • 社長が読んだ本の感想
  • 取引先からいただいたお菓子の話
  • お客様から言われて嬉しかった一言
  • 最近の業界ニュースを見て感じたこと
  • 道具や設備を入れ替えたという報告
  • 社内で起きたちょっとした失敗談(差し支えない範囲で)

「そんな日記みたいなことを書いて意味があるのか」と思われるかもしれません。ところが、お客様は意外にも、このような「人柄が見える小さな話」を読んで、その会社に親近感を抱きます。

会社案内の固いプロフィールよりも、社長が「先週、社員旅行で温泉に行きました」と書いた一文のほうが、ぐっと距離が縮まることがあるのです。お客様も人間ですから、最終的には「この人たちなら大丈夫そう」という感覚で発注先を選びます。

順序を間違えない

ここで申し上げたいのは、「コンサルタントが無駄」という話ではありません。デザインや文言の助言は、確かに価値があります。ただ、順序が大事だということです。

更新頻度がほぼゼロの状態でデザインだけを刷新するのは、毎日水やりをしていない庭に高級な花壇を作るようなものです。土台が機能していなければ、上に何を載せても枯れていきます。

順序としては、こうなります。

  1. まず、自社で更新頻度を上げる(小さなネタでよい)
  2. それを3〜6か月続けて、何が反応がよくて何が反応がないかを把握する
  3. そのうえで、不足している部分について専門家に相談する

この順序で進めると、コンサルタントに依頼するときも「ここがうまくいかないので、ここだけ手伝ってほしい」と具体的に頼めるようになります。結果として、依頼内容も明確になり、費用対効果も高まります。

5. 明日からできる、最初の一歩

「全体像はわかった。で、明日何をすればいいのか」という方に、まず取り組んでいただきたいことを3つだけ挙げます。

(1)自社のホームページを、お客様目線で開いてみる

スマートフォンで自社サイトを開き、「自分がお客だったら、ここから問い合わせたいと思うか」を確認してみてください。電話番号はすぐ見つかりますか。料金やサービス内容は明確ですか。最新の投稿はいつですか。これだけで、改善すべき点が驚くほど見えてきます。

(2)Googleビジネスプロフィールを整える

実店舗や事務所がある事業であれば、これは最優先です。無料で登録でき、地図検索で表示されるようになります。住所、電話番号、営業時間、写真、サービス内容を、漏れなく丁寧に入れていきましょう。

(3)「今週、書けそうな小さなネタ」を3つ書き出す

立派なテーマでなくて構いません。「先週、こんなお客様が来てくださった」「今月から新しい工具を使い始めた」「社内でこんな会話があった」など、日常の中の小さな出来事で十分です。3つ書き出せたら、そのうちひとつを今週中に投稿してみてください。

「毎日更新します」と意気込むと、3日で挫折します(経験のある方も多いのではないでしょうか)。週に1回、無理のないペースから始めるのが、結局は長続きします。

おわりに

WEBマーケティングは、特別な才能や巨額の投資がなくても始められます。むしろ、地道に続けた会社が最後に勝つ世界です。一晩で結果が出るような魔法はありませんが、半年、一年と積み上げれば、必ず変化は現れます。

そしてもうひとつ。デザインやレイアウトを整える前に、まず更新の習慣を持つこと。これだけで、多くの会社のWEB集客は、想像以上に変わります。コンサルタントに相談するのは、その習慣ができてからでも、決して遅くはありません。

まずは、ご自身のスマートフォンで自社サイトを開き、最後に更新したのはいつだったかを確認するところから、始めてみてはいかがでしょうか。

Back to top
タイトルとURLをコピーしました