「人はどうすれば頑張れるのか」不思議なもので、人間は「目標があること」で頑張れます。
やる気や根性の問題にされがちですが、実はもっと構造的な話です。
私たち人間は、進む方向が見えているときには力を出せます。しかし、方向が見えないときには、どれだけ能力があっても足が止まりがちです。
今回は、「目標の力」に加えて、「現在地を把握すること」の大切さ、そして「少しだけ高い目標」の意味についてお話しします。
目標がないと、人は迷子になる
目的地を決めずに車を走らせるとどうなるでしょうか。
とりあえず前には進みます。しかし、どこに向かっているのかは分かりません。
仕事や日常も同じです。
・忙しい
・やることは多い
・でも、何のためかは曖昧
この状態が続くと、努力しているのに達成感がありません。
人は「前に進んでいる実感」がないと、頑張り続けることが難しくなります。
目標は、その「進んでいる実感」を生み出す装置なのです。
まずは「現在地」を知る
ただし、ここで大事なことがあります。
目標を立てる前に、まず「現在地」を把握することです。
登山に例えると分かりやすいかもしれません。
山頂(目標)だけを見ても、今どのあたりにいるのか分からなければ、ルートは決められません。
例えば、売上を伸ばしたい場合でも、
・今の売上はどのくらいか
・どの商品が伸びているか
・どこで時間を使いすぎているか
こうした現在地を把握しないまま、「とにかく倍にしよう」と言っても、現実味がありません。
個人の目標も同じです。
「運動不足を解消したい」と思ったら、
まずは「今どれくらい動いていないのか」を知ることが大切です。
1日500歩しか歩いていないのに、いきなり毎日1万歩は少々乱暴です。三日後やめてしまっています。
現在地を知ることは、冷静になることでもあります。
自分を責めるためではなく、スタート地点を確認するためです。
少しだけ高い目標が、人を動かす
現在地が分かったら、次は目標設定です。
ここで重要なのは、「今よりも少しだけ高い目標」にすることです。
高すぎる目標は、やる気を奪います。
低すぎる目標は、成長を止めます。
ちょうどよいのは、「もうちょっと頑張れば届く」という高さです。
周りの誰かと比べる必要は全くありません。あくまでも現在地に比べて「少しだけ高い目標」がよいのです。
例えば、
・月に1冊も本を読んでいないなら、まずは1冊読む。
・運動不足を直したいなら、週に30分だけ歩く。
・売上が横ばいなら、まずは5%アップを目指す。
この5%や30分が絶妙です。
簡単ではないけれど、不可能でもない。この距離感が、人を前に進ませます。
心理的にも、「できるかもしれない」と思えることが大切です。
「どうせ無理だ」と感じた瞬間、人は本気を出さなくなります。
目標は、夢を語る場ではなく、行動を生むための設計図です。
設計図は、現実の地面に足がついていなければ役に立ちません。
小さな達成が、自信をつくる
少し高い目標を達成すると、「できた」という感覚が残ります。
この感覚が、自信になります。
自信は、突然どこかから降ってくるものではありません。
小さな達成の積み重ねから生まれます。
そして面白いことに、一度「できた」という経験をすると、次はもう少し高い目標に自然と挑戦できるようになります。
階段を一段ずつ上がるようなものです。
いきなり三段飛ばしは危険ですが、一段ずつなら着実に上がれます。
目標は修正してよい
もう一つお伝えしたいのは、目標は途中で修正してよいということです。
現在地は常に変わります。
環境も、体調も、状況も変わります。
最初に立てた目標が合わなくなったら、調整すればよいのです。
目標は、あなたを縛るものではありません。前に進むための道具です。
道具は、使いやすい形に変えてこそ意味があります。
おわりに
人間は、目標があると頑張れます。
そして、その目標は大きくなくて構いません。
大切なのは、
- まず現在地を把握すること
- 今よりも少しだけ高い目標を設定すること
- 小さな達成を積み重ねること
この繰り返しです。
もし今、やる気が出ないと感じているなら、自分に問いかけてみてください。
「私は今、どこにいるのか」
「次の一歩は、ほんの少しだけ上に設定できているか」
目標は、遠くにある旗ではありません。
足元から一段上にある踏み台のようなものです。
その踏み台に乗ることができれば、景色は少し変わります。
そして、その変化が、次の一歩を生み出します。
人は、大きな飛躍よりも、確かな一歩で前に進みます。
その一歩をつくるのが、目標の力なのです。

ミタスサポート事務所代表。富山県で中小企業向けに経営とIT支援を行っています。
中小企業診断士/ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士。
確かな知識と実務経験を元に、役立つ情報を随時発信中。
小さな事業者向けに小回りの利くITサービスやサイバーセキュリティ対策に力を注いでいます。

