一生懸命やっているのに、なぜか成果につながらない。
そんな感覚を持ったことは、誰にでもあるのではないでしょうか。
結果が出ないとき、人は「能力が足りないのでは」と考えがちです。
しかし実際には、能力よりも行動のしかたや習慣のクセが原因になっていることが多いように思います。
今回は、こういう場合に結果が出ないことが多い、という典型的なパターンをいくつかご紹介します。
専門用語はなるべく使わず、日常にも当てはまる形でお話しします。
先を考えすぎて、動けなくなっているとき
最近とても多いのが、「考えすぎて、動いていない」状態です。
・失敗したらどうしよう
・時間が足りなくなったら困る
・もっと良い方法があるのでは
こうした不安や迷いが頭に浮かび、気づいたら何日も、何週間も、何も始めていない。
これは怠けているわけではありません。むしろ、真面目な人ほど陥りやすい状態です。
たとえば、資料を作る場面を想像してみてください。
構成を考え、表現を直し、また最初に戻る。
「もう少し良くしてから」と思っているうちに、締切前日になる。
これは、未来の失敗を避けようとして、現在の一歩を止めてしまっている状態です。
結果が出ない最大の理由の一つは、「動いていないこと」そのものなのです。
書き残さず、見える化していないとき
ここで、とても大切なポイントがあります。
それは、自分のやったことを記録していない、そして見える場所に置いていない場合です。
人は意外と、自分の行動を正確には覚えていません。
「結構やっているつもり」でも、実際に書き出してみると、思ったより少ない、ということは珍しくありません。
具体例を一つ挙げます。
ある人が「毎日勉強しています」と言っていました。
そこで、一週間分の勉強時間を書いてもらうと、合計で2時間ほどでした。
本人の感覚では「毎日がんばっている」
記録の事実では「週に2時間」
ここで重要なのは、書くだけで終わらせないことです。
ノートに書いて閉じてしまうと、人はすぐに忘れます。
おすすめなのは、次のような方法です。
・今日やったことを紙に一行書く
・その紙を机の前や壁に貼る
・毎日、必ず目に入る場所に置く
これは、いわば自分専用の掲示板を作るようなものです。
「昨日はこれをやった」「今日はこれをやる」と、行動が常に目に見える形になります。
体重計に乗らずにダイエットはできません。
同じように、見えない努力は、修正も改善もできないのです。
「やっているつもり」になっているとき
記録と関係する話ですが、「やっているつもり」になっている場合も、結果は出にくくなります。
机に向かっている時間と、実際に手を動かしている時間は別物です。
本を開いている時間と、内容を理解している時間も別物です。
以前、ある人が「毎晩2時間、勉強しています」と言っていました。
よく聞くと、2時間のうち半分は資料探し、残りは画面を眺めて考えている時間でした。
考えることは大切です。
ただ、形に残る行動がなければ、成果は生まれにくくなります。
「今日は何ページ進んだか」
「今日は何件連絡したか」
こうした数字を紙に書き、机の前に貼っておくだけで、行動は一気に現実的になります。
原因を外にばかり置いているとき
結果が出ないと、つい環境のせいにしたくなります。
・忙しすぎるから
・周りが協力してくれないから
・運が悪かったから
どれも間違いではありません。
ただ、こればかりを理由にしていると、自分で変えられる部分に目が向かなくなります。
以前、「お客さんが理解してくれない」と言っていた人がいました。
話を聞くと、説明がとても難しく、専門用語だらけでした。
説明を少しやさしくするだけで、結果は変わる可能性がありました。
原因を外に置きすぎると、改善の入口を自分で閉じてしまいます。
完璧を目指しすぎているとき
最後に、完璧主義について触れておきます。
・もっと良くしてから
・失敗しない形が見えてから
・自信がついてから
こう考えているうちに、時間だけが過ぎていきます。
例えば、包丁の切れ味を永遠に気にして、野菜を一度も切らない料理人は、いつまでたっても料理が完成しません。
多少切れ味が悪くても、まず切る。切りながら研ぐ。
仕事も同じです。
動きながら直すほうが、結果に近づくことが多いのです。
おわりに
結果が出ないときは、能力よりも、次のような状態に陥っていないかを疑ってみてください。
・先を考えすぎて、動いていない
・行動を記録していない
・書いても、引き出しにしまっている
・「やっているつもり」になっている
・原因を外にばかり置いている
・完璧を求めすぎている
もし一つでも思い当たるなら、今日からできることは、とても小さなことです。
まずは、今日やったことを一行書く。
そして、それを必ず目に入る場所に貼る。
机の前、冷蔵庫、ドアの内側でもかまいません。
その紙が、あなたの行動をそっと管理してくれます。
そして、見える化された一歩一歩が、いつのまにか、大きな結果につながっていくことが多いのです。

ミタスサポート事務所代表。富山県で中小企業向けに経営とIT支援を行っています。
中小企業診断士/ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士。
確かな知識と実務経験を元に、役立つ情報を随時発信中。
小さな事業者向けに小回りの利くITサービスやサイバーセキュリティ対策に力を注いでいます。

