AIという言葉を聞かない日はないほど、私たちの生活や仕事の中にAIが入り込んできました。
「AIを使えば便利になる」「AIで効率が上がる」
そんな話をよく耳にしますが、実際に何から始めればよいのか、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、AI時代の土台となる考え方である
「すべてをデータで記録すること」について、できるだけわかりやすくお話しします。
なぜAI時代に記録が欠かせないのか
AIはとても賢そうに見えますが、ゼロから考えることはできません。
人が残したデータをもとに、整理したり、傾向を見つけたりするのが得意なのです。
つまり、
・何が起きたのか
・どんな依頼があったのか
・それに対して何をしたのか
これらが記録として残っていなければ、AIは何も参考にできません。
記録がない仕事は、AIにとっては「存在しなかった仕事」と同じ扱いになってしまいます。
データというと難しく感じますが
「データ」と聞くと、難しい数字や専門用語を思い浮かべるかもしれません。
しかし、ここで言うデータはもっと身近なものです。
たとえば、
・誰から
・いつ
・どんな依頼を受け
・何をどのように実施したか
これを簡単な文章で残すだけでも、十分に意味のあるデータになります。
きれいにまとめる必要はありません。
あとから読んで思い出せることが大切です。
見落とされがちな電話・口頭・個人メールの依頼
仕事の依頼というと、業務システムや正式なメールを想像しがちです。
しかし実際には、
・電話で突然頼まれる
・会議のあとに口頭でお願いされる
・個人のメールやチャットで依頼が来る
といったケースも少なくありません。
こうした依頼は、記録を残さないまま対応してしまいがちです。
対応自体は問題なく終わっていても、
何をどのように対応したのかが記録に残っていないと、後からAIの情報源にはなりません。
つまり、「仕事はしたのに、データとしては残っていない」という状態です。
記録がないと起きがちなこと
記録が残っていないと、後から
「そんな依頼はしていない」
「いつまでにやる話だったか覚えていない」
といった、少し気まずい場面が生まれることがあります。
人の記憶は意外とあいまいで、自分に都合よく書き換えられるものです。
これは誰かが悪いわけではありません。
ただ、記録がなければ事実を確認する材料がなく、
AIにとっても「学習できない出来事」になってしまいます。
具体例:電話一本の依頼を記録に残す
たとえば、電話で
「これ、今日中にお願いできますか」
と依頼されたとします。
対応が終わったあとに、
「○月○日○時、電話で○○の対応を依頼され、△△の方法で実施。所要時間30分」
と一行メモを残します。
これだけで、
・自分の記憶の補助になる
・同じ依頼が来たときの参考になる
・AIにとっても使えるデータになる
という効果があります。
たった一行ですが、価値は十分です。
実施内容まで記録してこそ意味がある
依頼内容だけでなく、
実際に何をどのように実施したのかまで残すことが重要です。
・全部対応したのか
・一部だけ対応したのか
・なぜ時間がかかったのか
こうした情報があってはじめて、AIは「次はどうすればよいか」を考える材料を持てます。
個人的なメモからでよいが、できれば共有したい
記録は、最初は自分だけのメモで構いません。
個人的なメモ帳やスマホのメモから始めても十分です。
ただ、できれば
他の人と共有できる形にしておくことをおすすめします。
共有されている記録があると、
・「誰が何をしたのか」がわかる
・同じ依頼を別の人が対応するときに参考になる
・AIが組織全体のデータとして扱える
といったメリットが生まれます。
「この仕事、前にも誰かやっていたはずなのに、誰も覚えていない」という事態も減らせます。
完璧を目指さなくていい
最初から完璧な記録や、立派な共有ルールを作る必要はありません。
雑でもいいので、残すこと、そして可能なら共有することが大切です。
三日坊主で終わる完璧な仕組みより、
ゆるく続く不完全な記録のほうが、AI時代には価値があります。
おわりに
AI時代に必要なのは、特別な知識や高価なツールではありません。
電話、口頭、個人メールでの依頼も含めて、
何が起き、何をし、どうなったのかを記録し、できれば共有することです。
それはAIのためだけでなく、未来の自分や周囲の人を助ける行動でもあります。
まずは今日の出来事を一行、メモするところから始めてみてはいかがでしょうか。
その小さな記録が、後から大きな価値になるはずです。

ミタスサポート事務所代表。富山県でIT支援を営んでいます。
中小企業診断士/ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士。
確かな知識と実務経験を元に、役立つ情報を随時発信中。
小さな事業者向けに小回りの利くITサービスやサイバーセキュリティ対策に力を注いでいます。

