UTMの導入を薦められたけど、そもそもUTMって何?

最近、通信事業者やITベンダーから「セキュリティ強化のためにUTMを導入しませんか?」と勧められるケースが増えています。
しかし、いきなり「UTMが必要です」と言われても、そもそもUTMがどんな役割を持つのか、自社に本当に必要なのか判断が難しいのではないでしょうか。

この記事では、UTMの仕組みと役割、そして導入すべき企業・導入しなくても良い企業の判断基準を、専門用語をできるだけ避けながら解説します。

そもそもUTMとは?

UTMは「Unified Threat Management(統合脅威管理)」の略で、
ファイアウォール・ウイルス対策・不正侵入防止・URLフィルタリングなど、複数のセキュリティ機能をまとめた「ネットワーク防御装置」です。

イメージとしては、社内ネットワークとインターネットの間に設置し、外部からの攻撃や内部からの怪しい通信をまとめて監視・防御する「関所」のようなものです。

UTMを導入すると、ネットワークの出入口を統合して管理できるため、「社内のPCが増えた」「社員が勝手にアプリを入れた」「設定変更で穴が空いてしまった」などの影響を最小限にできます。


「UTM=絶対必要」というわけではない

ITベンダーの提案だと「企業はUTM必須」という印象を持ちがちですが、実際には環境によって必要性は異なります。

UTM導入の目的はあくまで「社内ネットワークを守ること」

したがって、会社によってUTMの優先度は大きく変わります。

UTMを導入すべき企業とは?

次の条件に複数当てはまる企業は、UTMの導入価値が高いです。

  • 社外から社内LANへアクセスできる仕組みが存在する(VPN、リモートデスクトップなど)
  • 端末や従業員が多く、個々の設定を厳密に管理しにくい
  • 万が一の通信異常・マルウェア感染をログ解析で特定できるようにしたい
  • 社内LANに守るべき情報資産(ファイルサーバ、NAS、社内システムなど)がある

実務上、従業員や端末が増えると、知らないうちに“意図しない侵入口”が生まれやすくなります。
UTMは通信の出口を統一管理できるため、ミスや勝手な設定変更による穴を構造的に塞ぐことができます。


UTMが過剰投資になりやすいケース

逆に、次の条件に当てはまる企業では、UTMよりコスト効率が高い対策があります。

  • 社内LANにはほぼ資産を置かず、クラウドサービスを中心に業務をしている
  • メールはMicrosoft 365やGmailを利用している
  • PC台数が少なく、エンドポイント対策をしっかり運用できている
  • 外部から社内にアクセスする仕組みが一切ない

このような企業では、「EDR(端末の高度なウイルス対策)」「多要素認証(MFA)」「DNSフィルタリング」などの方が費用対効果が高い場合があります。
つまり、UTMは万能装置ではなく、自社の環境に合った場合に強い効果を発揮する製品と言えます。


判断のための一番シンプルな基準

迷ったときは次の3つを自問すれば判断しやすくなります。

  1. 外部から社内LANへ入れる経路があるか
  2. 社内LANを突破されたら困る情報があるか
  3. 従業員や端末が増えて管理しきれなくなっていないか

この3つのうち1つでも該当すればUTM導入を検討する価値があり、
2つ以上該当すれば導入の優先度は高くなります。


まとめ

UTMは「必ず導入すべき装置」ではありません。
しかし、社内ネットワークに守るべき情報資産があり、外部からの侵入や内部からの不正な通信のリスクがある企業にとっては、強力な防御ラインとなります。

逆に、クラウド中心で業務を完結できる企業や端末管理が行き届いている小規模企業には、他のセキュリティ施策の方が向いている場合もあります。

自社の業務環境・データの置き場所・接続方式を整理したうえで、
「何を守りたいのか」「どこに攻撃される可能性があるのか」を軸に判断することで、無駄のないセキュリティ投資が可能になります。

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