「よし、やるぞ」と思った瞬間に、なぜか掃除を始めてしまった経験はありませんか。
テスト勉強をしようとしたら、机の上が気になり、引き出しまで整理してしまった。気づけば部屋がきれいになり、肝心の勉強時間が減っていた。多くの人に思い当たる節がある話だと思います。
この行動は、決して現実逃避だけではありません。人は本気で何かに取り組もうとすると、まず環境を整えたくなる生き物です。今回は「5Sができていないのは本気じゃないから」というテーマで、その意味を考えてみます。
5Sは難しい話ではない
5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の頭文字を取った言葉です。
言葉だけ見ると、少し堅く感じるかもしれませんが、やっていることはとても単純です。
いらないものを捨てる、使うものを決めた場所に戻す、汚れたら掃除する、その状態を当たり前にする。
特別な知識や才能は必要ありません。誰でも理解でき、今日からでも始められる考え方です。
業績のよい会社は5Sができている
これまで多くの会社を見ていると、業績のよい会社には共通点があります。その一つが5Sです。
事務所に入った瞬間、空気が違います。床に物が置かれておらず、書類の置き場が決まっている。トイレや給湯室もきれいです。
こうした会社は、仕事の進み方もスムーズです。探し物が少なく、無駄なやり取りが減り、結果として成果につながっています。
一方で、5Sができていない会社もあります。
机の上に書類が山積みで、「どれが最新かわからない」、倉庫には何に使うかわからない物が眠っている。
こうした状態では、どんな立派な戦略を考えても、実行段階でつまずいてしまいます。
5Sができていない=本気じゃない
少し厳しい言い方ですが、5Sができていない企業は、本気で変わろうとしていない状態とも言えます。
もちろん、人手不足や忙しさなど理由はあります。ただ、本気で業績を伸ばそうと思えば、まず足元を整えるはずです。
何かを始める前に掃除をするのと同じです。
環境が整っていないのに「結果が出ない」と言うのは、運動靴を履かずにマラソンを走ろうとしているようなものです。
準備ができていなければ、力は発揮できません。
だからこそ、伸びしろがある
ただし、5Sができていないことは悪いことばかりではありません。
裏を返せば、まだまだ伸びしろがあるということです。
5Sに取り組むだけで、仕事の効率が上がり、ミスが減り、社内の雰囲気が変わることも珍しくありません。
大きな投資をしなくても、派手な施策を打たなくても、まず整理整頓をする。それだけで会社は確実に変わり始めます。
「何から手をつければいいかわからない」という場合こそ、5Sは最適なスタート地点です。
まずは身近なところから
いきなり完璧を目指す必要はありません。
今日は机の上だけ、明日は共有スペースだけ。そんな小さな一歩で十分です。
掃除をして満足して終わってしまう日があっても問題ありません。少なくとも、何もしないよりは前に進んでいます。
本気で変わりたいなら、まず5Sから。
5Sができていないのは、まだ本気を出していないだけです。そしてそれは、これから本気を出せる余地があるということでもあります。
伸びしろは、意外と足元に転がっているものです。

ミタスサポート事務所代表。富山県でIT支援を営んでいます。
中小企業診断士/ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士。
確かな知識と実務経験を元に、役立つ情報を随時発信中。
小さな事業者向けに小回りの利くITサービスやサイバーセキュリティ対策に力を注いでいます。

